太陽と月に怯える

ブログはいつか必ず悲しいものになる、とは過去に書いた。書きたいものがなくなって日記みたいなものをエントリーするようになればそれは作品とは言えない。作家への憧れ、その残滓である。と、年始のエントリーを書きながら思っていた。

自然主義の作家たちが心の複雑な構造を書いているうちにやがて日記のようなものを書くようになった(結果そのジャンルは衰退した)のと同じで、ブロガーもただの日常を書くようになったら終わりだ。
過激な文章を書けばアクセス数が増えると知りお茶の間の毒舌コメンテーターのようなものになりさがったブロガーたちとそう変わらない。
彼らは火の中で絶命し、我らは溺れて死んだだけのことだ。

成人式の日、俺は昼から飲んだ。気付けば夜を通り越えて翌朝まで飲んでいた。何かが嫌だったから飲んだわけじゃない。淋しかったから飲んだわけじゃない。飲めるから飲んだ。体力が続く限り飲んだ。

胃は夜通し酒と鶏肉とニンニクで満たされ続けた。壊れていく脳細胞、俺の腹の脂肪と化していく揚げ物。途中でマックシェイクも飲んだ。ボロボロになるまで飲んでようやく何か書けるような気がすると、昔どこかで知った恋の痛みが押し寄せてきてぶっ倒れた。

俺は物書きじゃない。詩人でもない。ただの酒飲みだ。

ただ書いている。忘れてしまった子供の頃の記憶、酔ってぶっ飛ばした記憶のために書いている。

なぜ書くのか?
知らない。それ以外にやることがない。

寝る直前まで飲んでいた俺が良い夢など見られるわけがなく、硬い床の冷たさに起こされた。
ここはどこだ?
知らない店の端っこだ。

もう帰ってくれと店主が言い、また謝りに来ると言って店を出る。酔い覚めの朝、太陽に背いて自分の影を睨み付けた。

ドラマや映画と違って何も起こらない人生に、俺はいったい何を学んで何を活かせばいいのだろう。書いて書いて、孤独の在処を探り当てたとしてもそれが一体何になると言うのだろう。

俺には分からない。
こんな生活を続けた先に、何があると言うのだ。

自分の部屋に辿りつき、ようやくベッドに身体を押し込む。ひとすら眠った。
また悪い夢を見て、またうなされて目覚めた。起きた頃には日が沈みかけていた。

この時間に起きたやつが今日一体なにが出来る?飲むほかない、そう思った。

夜が恐ろしかった。

俺は生から逃れたいのかも知れない。だからこのエントリーをネットに叩き込んだらすぐに夜の街に躍り出て、宛のない夜を通り抜けていくつもりだ。



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