28歳の永遠

ブログをエントリーする度に Twitter からフォロワーが少なくなったり多くなったり、アクセス数が計3300程度なのは少ないのか多いのか分からない「ソーシャルな悩み」を持つぼくこと酒勾大将は、今晩忙しくて目が回りそうだった。

夜になると冬を感じる。バーの閉店作業を中断し、ブログを更新して気持ちを落ち着かせようと思った。明日は休みだ。

Kさんから頂いたポメラを起動しブログを書き始める。
   ○
ここ数日のぼくは冬眠前の動物のようにそうお腹も空いてないのに食べては脂肪を蓄え、小説・漫画・映画・アニメを買ったり借りたりしながら冬ごもりの準備をはじめている。

引きこもり、いやいや冬ごもりに耐えれる塒(ねぐら)を作ろうと模様替えもした。今朝、年末も忙しくなりそうだからと二日酔いの苦しみに耐えながら大掃除を済ませてしまおうという気になり本格的に掃除をはじめた。

ふと押入から大量のコンドームが出てきた。なんでや!!と思ったがそういえばこれは友人がくれたものだと思い出す。数ヶ月前、ぼくはあるバーで「真人間に、おれはなる!(どーん)」と酔っぱらって言ったことがあった。馬鹿ほど酔っていたのだ。そして同じく酔っぱらいであり、ダメ人間同盟を結んでいるぼくの友人Gがこれを聞き、酔った勢いで大量にコンドームを買ってきて「コンドームを、使うところからはじめやがれ!」と、ぼくに言った。
「おれはだいたい毎回使うぞ」と言い返そうかと思ったがGに嘘をついても仕方ない。

真人間とはなにか、という議論をお互い前提条件を間違えたまま話し続け、そのうちぼくたちは真人間とは何か、という話ではなく「人はどこから来てどこへ行くのか」という壮大な議論に至り、記憶を失い、ぼくは気付けば一人で自分の家のベッドで寝ていた。

テーブルの上には買った覚えのないカップラーメンが置いてあった。食べられることを途中放棄されていたようで麺が水分を吸収してぶよぶよになっていた。割り箸が床に落ちていた。当然、なぜ押入にコンドームを入れたのかも記憶にない。

友人Gとはあれから会っていない。次に彼とあったらこう言ってやろう。
真人間とは、記憶を失うまで酒を飲まない人のことである。


   ○
着込んで歩く人々に合わせるように街もクリスマスの色に染まりつつあるようだ。季節も街も気が早い。手をつないで歩く恋人達にはぼくのブログが目に届かないことを祈る。というか祈らなくともきっと届かない。

大掃除が済んだら友達を呼んで鍋でもしたいと思う。クリスマスにはシチューでも作ろうと思う。元旦には着物で初詣に行きたいと思う。忙しさも落ち着けばどこか温泉に行きたいと思う。海に近い街へ行って美味しいものを食べたいと思う。

模様替えを終わらせたら、次は時間をかけて手打ちうどんでも作ってみようかな、と思った。

レコードプレーヤーを用意して、好きな音楽を聴きながらうどんを踏むのだ。美味しく出来たら皆に配ろう。それは良いな。楽しいだろうな。それを想像するだけで幸せを感じる。

そういえば、幸せとは1年後、3年後、10年後、今より良い生活を送るだろうという希望のことだと先日Kさんと話したっけ。残念ながら今のぼくには1年後、3年後、10年後の自分を予測できないけど、ぼくは時々うどんを作って食べよう。

「希望うどん」とでも名付けたいところだけどダサイな、と思った。他にナイス・ネーミングも浮かばないなと悩んでいるところで、酔った友人Cがぼくの名を叫びながら店に入ってきて飲みに出ようと言うので、今日のエントリーはこれにて終了する。今晩も長い夜になりそうだ。

28歳の我々は永遠に酒を飲む。
いつか28歳が終わるようにと願いながら。

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