傷
時が経って忘れ去られた、そのもっと後でさえ残っている記憶上の傷を、まずは孤独と呼ぶことにしましょう
それはいつ傷となったのか誰も知らない
誰かが傷付けたのかもしれない
一人で傷付いたのかもしれない
素直な気持ちですら人を傷つけてしまうことを知らなかったのは、過去のあなたと今のあなた、たった二人だけ
あなたの心にある純粋はいつか傷付いていた
傷つけたのはあの人
そしてあの人は、きっとあなたが好きだった人
思い出すのはもう遅い
癒えることのない傷の原因を今更探してどうするの
あなたの声は届かないのよ
もう届かないの
あなたの傷は癒されない
ただ忘れたふりならできるでしょう
いつか本当に忘れてしまう日が来るまで忘れたふりをして生きていくのよ
海や猫や新たな恋人や朝方の光が
少しだけあなたの傷を隠してくれますけれど
孤独は形而上の存在の中で最も形而下に近いから
愛のようにいつもどこにあるのか分からない
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